テレビで、「なんでも鑑定団」を見てました。
ふと、「お宝」を思い出した。
小学生の頃のお宝です。
ロート製薬の胃腸薬「シロン」の包み紙です。
同じクラスのA君のお姉さんが、ロート製薬に勤めてた。
A君がお姉さんにもらった「シロン」の包み紙を、私たちに分けてくれたんです。
これが、私、いや、クラスのみんなの宝物であった。
お姉さんが、弟を喜ばせようと思って、ときどき包み紙を持って帰ってたんだと思います。
良くないことである。
良くないことであるが、弟を喜ばせようと思ったお姉さんはえらい。
弟だけでなく、友達まで喜ばせたんだから、とてもえらい。
みんな興奮してました。
「シロン」の包み紙がなぜそれほど値打ちがあったか、わかる人にはわかるでしょう。
まっさらの、半透明の、ピンピンの紙。
それだけでも小学生にはお宝であった。
ただの紙じゃなくて、「シロン」の包み紙というのがまたありがたみがあった。
紙には、「シロン」という文字が印刷してあった。
誰かが、「紙を裏から見ると、「シロン」じゃなくて、「ソロツ」と読める!」と大発見を報告した。
奥が深いというか幽玄というか神秘的というか、小学生男児はうっとりしたのであった。
たぶん、ウチの小学校だけじゃなくて、大阪のいろんな小学校で、「シロン」の包み紙は引っ張りだこだったんじゃないでしょうか。