若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

母と子の政治論

昨日の帰り、電車に乗って本を読もうとして、私の前に座っている六年生くらいの男の子と、隣の母親がなんかヘンな気がした。
うまく言えないが、二人が透明の箱に入っているような感じがしたのだ。

塾の帰りらしく、プリントを見ては話し合っている。
男の子が、紙パックの牛乳をストローでチュウチュウ飲んで、母親に渡すと、母親がチュウチュウ飲む。
母親のバッグの菓子パンをちぎって二人で食べている。

男の子は後ろに小さなバッグを置いている。
新しいプリントを取り出すとき、バッグをひざに乗せて出せばいいのに、いちいち立ち上がる。
私の目の前に立って、私に背を向けてごそごそ取り出すのだが、私の存在が全く目に入らないようだ。

母親が言った。
「こういう、字の小さいプリントは家でした方がいいわよ。TPOをわきまえないとね」
なるほど。

母親が何か言って、男の子が答えた。
一瞬何と言ったかわからなかった。
私の脳は、二人の会話についていくことができなかったのだ。
三秒遅れで理解できた。

保守新党はどうなったの」
「熊谷さんが落選したから自民党と合流した」

「大きな政党がないとどうなるの」
「連立政権ができる」
「日本で二大政党時代があったけど、どことどこ?」
自民党社会党
「それを何体制て言うの」
55年体制。・・・・55年体制って何?」
「知らないワ」

男の子が聞いた。
小選挙区制ではナニ票が多くなるでしょう」
「知らない」
「六画の漢字です」
「わからない」
「死に票」
なるほど、六画だ。

男の子は、衆議院の定数などよく知っていた。
以前、有名中学の入試問題に、「エズラ・ボーゲルの『ジャパン・アズ・ナンバーワン』について書け」という問題が出たと聞いて驚いたが、受験によって小学生のおじさん化が進んでいるのだ。

「おじさん」の低年齢化が進んでいるので、私なんかが、いつまでも「関西ハードロック界のヤングライオン」と言われたりするのだ。

57歳にもなって、「ヤングライオン」でもあるまい。
年相応に「ライオンキング」として君臨したいと思うが、この調子では、私の座を脅かすイキのいい若者は出てきそうにない。
当分ヤングライオンとして猛威を振るうしかなさそうだ。

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