若草鹿之助の「今日はラッキー!」

日記です。孫観察、油絵、乗馬、おもしろくない映画の紹介など

要介護老人施設で

90歳

90歳というと、すごいんじゃないでしょうか。20年ほど前、母が認知症で要介護施設に入居したころ、その施設で、90歳は少なかった。 女性はなんとか90歳まで頑張れるけど、男性ではなかなかむずかしいと思いました。いまや、男性でも90歳は珍しくない。 いや…

体験入居

母が入居してた「要介護老人施設」から封書が来ました。なにかなと思って開けたら、「体験入居のご案内」。むむ・・・?なんですか、これ。 深い意味はないのかもしれない。 まあ、ないでしょうな。単なる「ご案内」ですよ。「要介護老人施設」からの、「65…

親子二代

介護施設の見学に行きました。 私が入ろうというのではないんですが。経営者は、母が入居していた施設でお世話になったHさんという女性です。 母がいた施設は、関西ではパイオニア的存在で、そこで勤務していた女性たちが現在介護の世界で大活躍のようです…

母の死

12月27日、母が死んだ。要介護老人施設に入って14年目、1月4日に94歳の誕生日を迎えるところだった。12月20日ごろから熱を出していた。この数年、冬になると体調を崩し、春になると持ち直すという状態の連続だったので、今回も、相当衰えてはいるものの、持…

胸に抱かれて

母のいる施設に行く。このところ、母は、息をするのがやっとの状態だ。口から食べられない。こうなると、食事はできなくても、栄養プリンを飲み込んでた時が、かなりいい状態だったように思えてくる。プリンで栄養をとることになった時は、流動食でも食べら…

頭蓋骨折

きのう、母のいる施設で。先日、じゃんけんで盛り上がったNさんは、きのうは「センチ」にこだわってぶつぶつ言っていた。「1センチやな」「1センチですか」「2センチや」「2センチ?」「いや、おやじのとこが3センチで、ウチは2センチ・・・おやじがな、あ…

愛の館

朝、整骨院に行く。整骨院の新年会が四国であって、そのときの写真がはりだしてあった。院長やスタッフが、かつらをかぶってのカラオケ姿など、楽しい写真がたくさんある。日本家屋の前で、全員そろって写した写真があった。由緒ある建物なのだろうか。若い…

ケータイ

昨日は母の誕生日。施設に入って、12回目か13回目だ。93歳。高齢といえば高齢であるが、この施設の入居者の皆さんを見ていると、驚くほどではない。入居者を見ていると、100歳を越えるのはなかなか難しそうだ。しかし、女性の90代、男性の80代はあたりまえに…

あなたがそこにいるだけで

母のいる施設に行った。Nさんの奥さんが帰るところだった。奥さんは、私の顔を見るとうれしそうに笑った。「おじいちゃん、大好きな兄ちゃん来はったよ」い、いや、Nさんと私、それほど心が通い合っているとは思いませんが。「兄ちゃんとお話してなさい。…

静かに過ごしましょう

きのう、母のいる施設に行った。母の隣の部屋のSさんが亡くなっていた。立派な老婦人だっただろうな、と思える方であった。話は、ほとんど通じなかった。スケッチブックが二冊あって、Sさんが、まあまあのウデであったことがわかる。そのスケッチブックが…

ワシの好きなもの

整骨院に行く。隣のベッドに、今日が初めての老人。80前と思える男性である。問診表を手に、院長がいろいろ聞いている。「人工関節ですか。それと・・・うーん・・・たくさん手術してはるんですねえ」「ワシ、手術、好きですねん」院内爆笑。「切った方が、…

はじめての焼肉

昨日、母のいる施設に行ったら、車椅子のおじいさんが、「早よ押せ!早よ押せ!」と、怒鳴っていた。感じ悪い。ボケているからしかたがない、この人の人格とは関係のない、不規則発言である、と思おうとするが、不愉快である。母の車椅子を押して屋上に上が…

『道鏡』2

きのう母の入っている施設に行ったら、80代男性Nさんの書道作品がかけてあった。字は、相田みつをさんがあこがれそうな字だが、かなり読みにくい。しばし見つめて解読。「ふるさとは 頭記にありて 思ふもの」こ、これは・・・?万葉仮名表記法に基づく由緒…

「おーい!彼女!」

母のいる施設で。久しぶりに会話を聞けた。皆さん症状が進んで、会話が成り立つことが少なくなってきた。会話と言っても、もちろんすれちがいのトンチンカン会話である。トンチンカン会話と言っても、もちろん健常者のトンチンカン会話とはレベルが違う。た…

選挙速報

若草鹿之助商店選挙管理事業部報告。昨日投票が行われた奈良県議会選挙、即日開票の結果、皆様おなじみのTさんは堂々二位で当選!リンダ様はじめ、読者の皆様方のあたたかき御支援の賜物と心より感謝いたします。一位は、いわゆる二世候補で、県政界の実力…

なつかしい話し方

母のいる施設に行く。新顔のFさん(90歳女性)が、話すのを聞いていると、亡くなった伯母たちを思い出す。父の三人の姉と、話し方が似ている。言葉づかいというか口調というか、非常によく似ている。この施設で初めての経験である。聞いていると、ちょっと…

海軍航空隊

母のいる施設に行く。大正13年生まれ、海軍航空隊士官であったNさんが、車椅子で入浴から戻ってきた。「お風呂、どうでしたか」はげたピカピカ頭をたたきながら、「・・・いじめられて」車椅子を押してきた若い女性職員が、「もう!いじめてないやないです…

ピック病

朝日新聞でピック病が紹介されている。若年性認知症の一つで、発見者の名前がついている。この病気になると、万引きをしたりすることが多いそうだ。ある市の課長で、まじめに勤めていた人が、万引きして懲戒免職になった。言動がおかしいので、家族が医者に…

遺憾である

朝日新聞の記事。関西テレビの「あるある大辞典」のデータ捏造問題について、スポンサーの花王の社長が、「信頼していたのに裏切られた。遺憾である」と語ったのは遺憾であると思った花王の社員は多いと思う。花王のような一流企業の社員は、「あるある大辞…

親業

昨日は母の誕生日。施設で祝ってもらう。入居者代表でお祝いのあいさつをできる人がほとんどいなくなった。職員さんが、頭のはげた好々爺という感じのNさんに、「一言誕生日のお祝いをお願いします」「イヤイヤ、ワシなんか・・・」と一応辞退するところが…

母の友達

今朝も、県会議員Tさんが駅前で演説していた。連日連夜、ではなく連日連朝だ。選挙でもないのにどうしたんでしょうか。「・・・皆様方に深くおわび申し上げますとともに、710年、ここ奈良市に新しい都、平城京が設置されました時の、すがすがしい気持ちにた…

ぼくのおばさん

昨日母のいる施設に行った。母は、ここ数年車椅子にすわっているだけで、ほとんど反応がないような状態で安定している。「安定している」というのは、非常に肯定的な表現であると思えて、こういう場合に使うのはヘンかなとも思うが、ほかにいいかたもなさそ…

大きな声

母のいる施設に行く。入居者の皆さんの症状が進んでさびしい。男性のNさん、女性のSさん、ともに80代であるが、まあ元気なほうだ。Sさんは実によくしゃべる。元気はつらつ、いきいきほがらかである。話の中身がこれほど支離滅裂でなければ、どんなにか楽…

茶釜の思い出

母のいる施設に行く。ここでは90代は珍しくない。私が初めて「高齢」を意識したのは祖父が77歳になったときだ。母が「喜寿の祝い」をすると言って兄弟と連絡を取っていた。小学生の私に「77歳」は衝撃的であった。もちろん、それまで大人の年齢など気にした…

いい天気

昨日、母のいる施設に行った。屋上に上がる。気持ちのいい天気であった。見晴らしがいい。プランターにパンジーがたくさん咲いていた。10年前ここに入居したとき、母はまだ歩けたし、花の名前も言えたし、会話も、「通じていると言えば通じている」と言えな…

ゴルフキャンセル

母のいる施設で。声にも色々あるものだと思う。81歳の男性Nさんは明るい声だ。明るい声で好感が持てるのだが、時々怒鳴る。いくら明るい声でも怒鳴るのはよくない。Nさんは、入居者の男性によくあるタイプで、何かと命令する。この施設で見ていて、男はつ…

誕生日

昨日は母の誕生日だった。91歳。施設に入って10年目である。ここでの誕生日も9回目になる。入居者の高齢化が進んで、というか、元々高齢者であるから、症状が進んでと言った方がいいのか、何年か前のように、他の入居者の方たちの「ハッピ−バースデー」の合…

泣けーっ!

日曜に母のいる施設に行った。クリスマスパーティであった。入居者のSさんは陽気な女性だ。一人でわけのわからないことを言っては、声をあげて笑う。ところが、Sさんが笑うと、Nさんが怒る。Nさんは、わりと新しい入居者で、80過ぎの、一見スマートな老…

「ライブ」とは

人前で演奏することを「ライブ」と言うんでしょうな。「発表会」も「人前」だ。どうちがうのか。ライブに来るのは聴衆で、発表会に来るのは見学者か見物人というところか。我々のレベルではそのあたりが判然としない。素人芸の基本は、カネを払って出演させ…

酒は二升

きのう、母のいる施設に行った。母は、ちょうど寝たところだった。前回初対面の男性新入居者、Nさんがいすに腰をかけていた。顔を見て、あ、今日は調子が悪そうだなと思った。ここの入居者の方たちは好不調の波が激しい。私は、皆さんを鏡にしているので、…